2019/03/27 追加更新

足裏角度(カント角)の補正とクリートの左右角度

 天気の良い時は気が向くと150Km以上走るのはしばしばですが、いつも一人旅なので、エンジンである足が故障して動けなくなったら困ると思い、ペダルを漕ぐ時のフォームに気を配り(セッティングも含めて)、特に膝の痛みに注意していますが雑誌にも掲載されているようなヒザツー・アシツーを経験したことがありません。(痛みで困っている人が多いようですが。) 

 記憶が薄れる程前になりますが、試行錯誤している時は多少の心配は確かにありましたが、当HPは、
クリートに関する補正・調整・取り付け方の工夫で概ねの合理性が存在すると考えられます。

 自転車にスキーの共通点を追加更新しています。
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解決する課題(私の持論として))
 長い時間ペダルを漕いでいて関節が痛くなるのは、常に同じ状態で関節の捻れが繰り返され、関節の一点に長い間偏った力が加わり続けることにより炎症を起こすからだと思います。
 関節内部の接触面全体で力を分散して圧力が平均に作用すれば、つまり一点で力を受けるより面で力を受けた方が関節への負担が小さくなるのは当然であると思われます。
 巷ではいろいろな取り付け位置が公開されていますが、私なりに幾ら漕いでも関節への負担が非常に少ないと思われる工夫(大げさなものではありませんが!)だと思います。
 特に日本人にはO脚の方が多いとされているので、重要なことだと思います。


 スキー靴とビンディングの取り付けにおいても、40年以上前に同様の調整を行っていました。膝を曲げて雪面を加圧した時に膝がスキー板のトップを目指す様に足の捻れ補正並びに足裏角度の調整を行いました。スキー板は、20cm位離すと良いでしょう

 但し、スキーの場合は、スキー靴内部の中敷きを加工しながら靴自体に取り付けてある外部のネジ類を回して角度の調整が出来るので勘違いしない様に注意が必要です。
 カント角とO脚の度合いに注意して下さい。

<< 私流スキーの考え方 >> 是非読んで下さい。
   
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自転車の場合はペダルを漕ぐ時に生じる体の構造上補正しなければならない重要な点は2つあります。

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1.足裏の平面に対する角度の補正
 スキーでは足を20cm位、自転車ではクランクに取り付けられたペダルと同じ位離して、平らな所で力を抜き椅子に座り足裏を見ると、内側(親指側)に左右で多少の差はありますが殆どの方に5mm以上?の隙間(写真1)ができるはずです。(カント角)

写真1

力を抜いて椅子に座った時の隙間(ちょっとオーバーかな?)


 このカント角の補正が無いままでクランクに取り付けたペダルに力を加えた時、足裏面の内側と外側の高低差から、足首は常に足裏外側からの圧力を最初受け、遅れて拇指球辺りに圧力が掛かるので、踏み足を行う度に足首関節は毎回外側へ捻れ、その結果、偏向した力が足首から膝を介して股関節にも影響すると考えられます。
 同様にこの補正を行わないでペダルを漕いだ場合には、拇指球辺りに意図的に力を加える都合上、踏み足を行う度に、どうしても膝を内側にずらしながら斜めに漕ぐことにもなります。
 つまり、クランクが上死点と下死点を通過する度にカント角の影響で膝が左右に振れ、膝関節や股関節の内側と外側に部分的な不用な力が交互に加わり、その結果、部分的な関節内部の炎症が発生して痛みを感じるのではないでしょうか。
 
写真2                        写真3
        
足裏全面を付けて立った時の膝の位置
     椅子に座り、力を抜いた時の膝の位置

 日本人には特に多いとされていますが、力を入れて平らな所に立った場合殆どの方が写真2の状態になります。写真3では、拇指球の下に隙間が生じています。この隙間を補正して無くすことが目的となります。
 
◎生まれながらの構造(写真2)なので仕方がないのですが、どんな時でも写真3の状態であることが理想だと思います。
 
 力を入れて立った時も力を抜いて立った時も写真3の位置に膝の在ることが望ましいので、膝が左右に動かない様に足裏の角度を補正するのです。
 
 足裏の角度補正無しでペダルに圧力を掛けクランクが回転する度に、膝がペダルの上部軸線上から内側に外れ、膝は写真2の状態と写真3の状態を繰り返すことになりますので、関節内部での偏向が発生し痛みの原因を作ると思われます。
 
 
 もし、このことが自動車のエンジン内で起こったとしたら、エンジンはすぐ壊れてしまいますよね。人間も同じだと思うのですが!
 しかし、人間は生き物なので、その都度ごまかしながら動作を行うことができますが、同じ動作を数重ねる内に、痛みという形で徐々に壊れて行くと考えられます。
 さらに、膝が左右に動く不要な動作によりベクトルが分散され、真上から漕ぐことができないのでペダルへの加圧にロスが生じることにもなり、速度にも影響するはずです。

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私流足裏角度(カント角)の補正方法
 シューズにクリートを取り付ける際(シマノSPD−SLの場合)、内側ネジの部分のシューズとクリートの間にネジ用のワッシャーを何枚か入れて角度を補正する方法もありますが、時間を掛けてシューズの中敷きを加工した方が良いでしょう。

写真4                写真5
 
フエルトとテープ           フエルトを貼った中敷き

 中敷きに1〜2mm厚のフエルト(
写真4)を拇指球辺り(写真5)に両面テープ等で角度が付く様に段々に貼って下さい。段々の間隔を狭くすると貼る枚数も増え、角度がきつくなります。カッター等でフエルトの切り端を斜めに切って、滑らかにするのも良いでしょう。
 さらに
私の場合、踵を上げて斜め前方に漕ぐので足が前にずれないように厚さの薄い布テープを写真6、7のように拇指球の前部辺りに貼っています。

写真6           写真7
  
SPDシューズ用     SPD−SLシューズ用   SPDシューズとSPD−SLシューズ

 踵の角度も気になる方は踵部分の内側にも同じ様に貼って下さい。又、つま先から踵の方まで同じ様に一連に貼っても良いのですが、必要な所だけで良いと思います。

写真8

私はこの写真の角度で使用しています。(いまだに調整中)

 各人その角度は左右異なるので、力を加えつま先立ちした状態で膝を曲げたり伸ばしたりして、拇指球近辺の足裏に平均して圧力を感じる様に貼る枚数を加減して下さい。(写真8
 この際必ず、足裏全体で平均して圧力を加えた時に、膝が中敷き上部の軸線上(写真9)に在ることを確認しながらフエルトの厚さを調整して下さい。

写真9
 さらに拇指球付近で力を加えた時に膝のズレが少ないことを確認して下さい。ペダルに対して膝の位置がペダルの上部軸線上に無い場合には、多かれ少なかれパワーロスが生じるのは理論的に避けることができないと言えます。





角度を補正した中敷き上で、力を加えた時の膝の位置



※結論は、角度を補正した中敷き上で、力を加えた時の膝の位置写真9)と椅子に座り、力を抜いた時の膝の位置写真3)が同じになれば良いのです。

        ◎スキー靴の場合もインナーで同じ工作をして下さい。

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2.膝に対する足首関節方向のねじれ調整

俗に言うガリ股?でペダルを外側に漕ぐことになりますのでお勧め致しません。カント角の調整だけで左右の足が平行に成るように漕いで下さい。


<< 考え方の参考までに >>
 殆どの方が、右左の足は平行でなく、前広がりのハの字に成っていると思われます。そこで通常はクランクに取り付けられたペダルにシューズを履いた状態で固定して調整するのが常でしょうが、どちらかと言うと自転車に体を合わせている様に見受けられます。
(ミリ単位の調整が必要と言われている割には?)
 
私流左右方向の調整方法
 クランクからペダルを外し、シューズに取り付け、線を引いた段ボール等の上で取り付けネジの部分が一直線(写真7)になるようにクリートの左右の角度を調整して下さい。この方法で左右の概ねの捻れは間違いなく調整できます。後は実際に漕いで微調整をして下さい。
 直接関係はありませんが、クリートの前後位置はシマノSPD−SL(私は赤色を使用しています。)の場合は一番前にして調整するのが良いでしょう。なぜならロード自転車の場合、個人差はありますがシートを後方に位置させ、踵を上げて踏み足を行う都合上、力の掛かる部分は拇指球前部辺りに集中すると思われるからです。
 左足右足でその角度は異なる場合が多いので、踵を上げ、膝を曲げたり伸ばしたりして、納得するまで何回か繰り返した後、固定概念に捕らわれずクリートの角度を決定して下さい。
 SPDシューズも同様に調整しています。


  
写真7
 
 
 
 
 


左右クランクの幅に離して下さい。
 

 以上の如く、この2つの調整を行うことにより、足に力を加えた時の捻れと偏りが無くなるので足裏全面からペダル全面に真上から平均して圧力が掛かり、膝の左右の動きも止まるので、膝は常にペダルの上部軸線上に位置することが可能になり、膝及び股関節も同様に捻れにより発生すると思われる痛みから解放されたらうれしいですよね。
 
 足首(くるぶし)、膝関節、股関節の3カ所が同一軸線上に位置することになりますので、今まで以上に遠くまで無理無く速く走れるかもしれませんよ。