バクテリアビンについて
生きた菌糸の中に生きたバクテリア等微生物の存在が必要です。
菌床とバクテリアマットを混ぜてビンに詰めただけではバクテリアビンとは言えません。なぜなら、菌床とバクテリアマットを混ぜた状態でバクテリアの活性を抑え、菌糸が腐朽するまでの時間を与えなければならないからです。
バクテリアビンの中で、はびこった生きた菌糸を生きたバクテリアが食べることができなければ、栄養価の高い生きたタンパク質の存在は有り得ないと思うからです。
生きた菌糸と生きたバクテリア等の相乗効果が期待できます。
バクテリアの栄養価
バクテリアビンの中に入れた幼虫が菌糸を壊すことにより、菌糸の中に含まれている水分が染み出て、バクテリア等の繁殖が活発に成り、ビンの色がどんどん褐色に変化して行きます。
バクテリアが菌糸の成分を吸収することに因り、タンパク源と成る栄養価の高いバクテリアが作成されます。
菌糸が作った”栄養水?”をバクテリアが飲むことになります!!
使用に際して
”菌糸は主にバクテリア等の微生物の餌になる。”と考えてください。
幼虫は菌糸を食べて大きく成るのではなく、菌床の中に含まれているバクテリア等の微生物が菌糸を食べて増え続け、その増えたバクテリア等の微生物その物が幼虫の生育に必要なタンパク源に成ると思ってください。つまり、幼虫は菌糸だけではなく、多量の動物性タンパク質を摂取することになります。
その結果、バクテリアビンを利用しないで菌糸だけを食べて育った幼虫(インドアンタエウス♂)と比較して、平均で5mm以上も大きな成虫になることができます。
同じ40gの幼虫でも食べている餌の違いで76mmと82mmの違いが生じることがあります。
※製法上の都合に因り、表面に青カビが生える時がありますが気にしないでください。幼虫には全く影響がありません。バクテリア等の微生物が食べてしまいます。
準備
幼虫を入れる前に、プラボトルの底に2mm位の穴を5〜6ヶ所以上空ける。幼虫の大きさに影響しますので必ず空けてください。
注意する点
穴を空けることにより空気の流通が良くなり乾燥しますので、重さに気を配り、軽く成ってきたら浄水器の水を入れます。
その際、ボトルの重さに注意して、800ccで500位g、1400ccで1000g位を維持してください。バクテリアの繁殖に影響します。
できれば、使用する水は硬度の低い自然水(コンビニ等で売っている天然水)や蒸留水が良いでしょう。
私は山梨県駒ヶ岳山麓まで湧き水を汲みに行きます。単なるコダワリでしょう。
容器の底に穴を空ける
1400ccの場合は、3齢からの大きな幼虫を入れるので穴の数も増やしてください。
私は、電気ドリルで2mmの穴をたくさん空けることにしています。
新品の刃を使用すれば良く切れるので内側にバリの出ることが少なくなります。
底だけでなく、側面にも空けることがあります。
加水の仕方はいろいろありますが、底に穴が有るという利点を考えて、水に漬けて染み込む量で調整してください。
入れ過ぎると水が空気を遮断して腐敗を起こします。重さを量りながら漬けている時間に注意してください。
空気を入れる為に攪拌します。
幼虫の大きさに適した空洞は必要です。
移し替え時の環境を調整する為に、幼虫を入れる前にバクテリアマット少し入れます。
マットの上に幼虫を置く様な感じで入れてから、3〜4回霧吹き等で必ず水を掛けてください。
更に、幼虫の上にマットを少し入れて、穴を軽く埋めてください。
水の補給
バクテリアビンの乾燥具合を量り、バクテリア等の繁殖に支障を来さない様に注射器を使用して浄水器の水を入れているところです。
模型店で販売している5mmのプラパイプにエアーポンプ用のホースをつないで水を注入しています。
800ccプラボトルですが、約100ccの水を入れました。水分量は大変重要な要素です。
幼虫の大きさは水分量で決まると言っても過言ではありません。
※注意してください。
バクテリア等の微生物は菌糸を食べる。
蛹を掘り出した後のバクテリアビンは、バクテリア等の繁殖が進みマットの様になります。
顕微鏡で調べると、中に含まれるバクテリア等の密度は水分の多い方が高く、幼虫も非常に大きな蛹になることができます。
幼虫体内の水分量にさえ注意すれば3齢幼虫の食欲には関係なく体内でタンパク質の補給ができるので、縮みが非常に少なくなると考えられます。
使用する前に必ず重さを量る習慣をつけてください。
バクテリア等の微生物が生きた菌糸を食べることにより栄養価の高いタンパク質が作成されますので、最初菌糸が充分腐朽していることが重要です。バクテリア等の微生物が菌糸に代わりおが粉を支配すると腐敗することが無くなり長期間の使用が可能になります。
バクテリアビンの改良
観察を続けて分かったこと。
おが粉の大きさが成虫の大きさに影響します。
バクテリア等の繁殖は幼虫の成長の速さに合わせた方が大きく成ると思われます。
むやみに腐朽を速めるとバクテリア等の栄養価を維持する期間が短くなります。
白色から褐色に変化する期間を少し長く維持することにより成長が安定します。
特に国産は菌糸の支配している状態で飼育する。
水分を多目に含み過ぎると空気が遮断される傾向にあります。
おが粉とおが粉の隙間に菌糸がはびこる状態にする方が栄養価の面で有利になります。
ビン内部の空気が少ないと大きく成れないので空気穴は多目に空けてください。乾燥に注意してください。
バクテリアの活性化を図る為に、ある程度使用した時点で攪拌して幼虫の入れ直しをする。
改良点
粗目のおが粉を20%位混ぜる。
水分量の基準は、800ccが500g、1400ccが1kgとする。
ブナ材を主(70%)にしてより安定させると共に菌糸の状態も考慮して国産にもより適する内容にする。
利点
粗目を混ぜることにより急激な劣化が無くなり使用期間を伸ばすことができる。
おが粉とおが粉の隙間に伸びた菌糸をより多く食べることができるので、蛹化時の排泄物が少なくなり”縮み”が減るように思える。