アンタエウストと国産オオクワガタ 飼育方法の違い
工事中随時追加変更(11月14日から)
インドアンテ・ネパールアンテと国産オオクワガタではバクテリアビンの使い方が異なります。
アンタエウスと同じ様に国産オオクワガタを育てても大きく成りません。
バクテリアビンの特徴を応用してください。
アンタエウスをバクテリアビンに入れる時は、バクテリア等の共生微生物の繁殖スピードを速める為に、電気ドリル等で内部を崩してバクテリアマット喰わせ用や今まで飼育していたバクテリアビンの褐色の部分を多目に混ぜて、更に霧吹き等で水を掛けて湿らせる事が必要です。当然そのことにより、バクテリア等が大繁殖して菌糸をどんどん食べてしまうのでバクテリアビンの寿命(使用期間)が短くなる傾向にありますが、アンタエウスの体内でもタンパク源となるバクテリア等の共生微生物が同様に大繁殖して質の良いタンパクを充分補給できることに成り大変有利です。
尚、バクテリアの繁殖には多量の水分が必要ですが、水分が多過ぎると空気を遮断して酸素不足により有益な好気性の微生物が死んで腐敗しますので注意してください。
国産オオクワガタの場合は菌糸だけを食べるのが理想だと考えられますので、極力菌床を崩さない様にボトルの底まで幼虫が楽に入れる穴を空け、体の大きさに合った空洞を作り、その中に幼虫を入れて、アンタエウスと同様に霧吹き等で幼虫の体と周りをかるく湿らしてください。
その際、今まで飼育していたバクテリアビンの環境を引き継ぐ意味で、今まで入れてあったボトルの褐色の部分を少量を入れてください。アンタエウスの飼育と異なり、バクテリア等の共生微生物の作用を穏やかに利用します。
当然、菌糸以外のおが粉も体内に取り入れてしまいますので、既にバクテリア等の共生微生物が体内に存在することは前提です。
[飼育結果]
外産と国産、合計300頭以上の実験飼育による結果からクワガタ幼虫の食文化を考察すると基本的にインド・ネパールアンテは、”土喰い”、国産オオクワは、“木喰い”に成ると思います。従って、産卵の仕方と幼虫の飼育方法を同じにしたのでは良い結果を期待することができません。
私なりに”土喰い”から ”木喰い”までの順位を決めるとすれば、インド・ネパールアンテ → マレーアンテ・グランディス → ホーペイ → 国産オオクワ になりません。おそらく、生息域の温度により摂取できる食物が異なるので、幼虫の体質が環境に適用するものに変化したと推測できます。
飼育結果から全てのクワガタ幼虫の体内にバクテリア等の共生微生物が存在することは大きな成虫に成るための必要条件なので、幼虫の体内にバクテリアを移譲させる為に2齢中期まではバクテリアマット喰わせ用を使用してください。バクテリア等の共生微生物が含まれていない菌糸を初齢から食べさせることは敢えて小さな成虫を作る結果になりません。 しかし、3齢からはバクテリア等の動物性微生物が菌糸を支配する育て方(アンタエウス)と菌糸の劣化を考慮しながら菌糸に支配されたバクテリアビンを食べさせる育て方(国産オオクワ)に区別して飼育してください。
つまり、アンタエウスは反芻による動物性微生物(体内共生)を主にした育て方が適していますが、国産オオクワの幼虫に関してはキノコが作成した成分を主に与えながら、”バクテリア等の共生微生物を常に補給してあげる”と言う育て方が適している様に思えます
なぜなら、80mmの成虫♂に成る為の幼虫の重さがアンタエウス(インド、ネパール)は40gも必要なのに、国産オオクワガタは27g〜28g有れば良いので体内での代謝が違うと考えられます。
このことからアンタエウスの幼虫は、主にバクテリア等の共生微生物を消化吸収して成長するので、バクテリア等の共生微生物の餌に成る菌床(菌糸とオガ粉)をより多く体内に詰め込む必要がありますが、国産オオクワガタは栄養価の高い菌糸を主に食べて消化吸収すると同時に、菌糸以外の摂取物であるオガ粉を食べて体内で繁殖したバクテリア等の共生微生物をタンパク源として消化吸収していると考えられます。
従って、国産オオクワガタは、菌糸に含まれるタンパク質とバクテリア等の動物性タンパク質の両方を幼虫の年齢と状態を考慮しながら与えて飼育しなければ成らないと考えてください。国産オオクワガタは菌糸の状態がかなり影響すると考えられます。
結論として、体内の状態が異なるので有れば育て方も変えなければ大型は望めないことに成り、アンタエウスと国産オオクワガタでは当然バクテリアビンの使い方(飼育方法)が異なります。
アンタエウスと国産オオクワガタでは、食文化が異なる様な気がします。
重要な事項を箇条書きにしました。(随時追加)
アンタエウスと国産オオクワガタではバクテリアの使い方が異なりますが、常に体外からバクテリアを補給することは必要です。
バアクテリアビンで国産オオクワガタを育てる時は、飼育温度を調整(20度位)して幼虫の期間を延ばしてください。(一年半位)
2齢までの育て方はバクテリアマットを使用して体内に共生微生物を移譲する方法で良いのですが、3齢からの育て方に違いが生じ、マットと菌糸のどちらか一方を使用した飼育では偶然を期待しなければ、現在の所、最大サイズは望めません。
菌糸の栄養価とキノコの種類がバクテリアの質や量に影響します。
菌糸とバクテリアの力関係が問題になりませんので、菌糸とバクテリアの支配する力を調整して、幼虫の種類と年齢に合った方法を採用しながらバクテリアビンを使用する必要があります。
飼育途中の菌糸とバクテリアのバランスが異なり、国産オオクワの時は菌糸がバクテリアビンを支配している期間が長くなる様に調整して使用します。
アンタエウスの場合は、菌糸がバクテリア等の微生物に食べられてマットの様に成っても栄養価が残っていれば同じバクテリアビンで可成り長い間飼育することができます。しかし、国産オオクワガタの飼育では、菌糸の残り具合に気を配らなければ成らないので、外観が白くても内部を幼虫が殆ど食べ尽くしている場合があるので上部を掘る等して確認をすると同時に早めに入れ替える必要があります。
アンタエウスと同じ様に国産オオクワガタを育てても大きく成りません。注意してください。