アイディア
菌糸を嫌がる傾向にあるクワガタ虫の3齢終期の幼虫を菌糸ビンの中に安定して滞在させる為に、バクテリア菌床と菌床の間にバクテリアマットを挟み込む形で層状にして容器に詰め、クワガタ幼虫が菌糸ビンの中で居場所を作り易い様にする。
※バクテリアマットより配合を変えたバクテリア菌床の方が効果があります。
左が3齢幼虫用バクテリアビン
褐色の濃い所に幼虫を入れる。(配合を変えてあります。)
考え方
ヒラタケ菌の菌糸ビン飼育は、幼虫の年齢に関係なく、菌糸が生きている菌床へ幼虫を埋め込んで大きく育てるのが常です。確かに、ヒラタケ菌等のキノコの菌糸は栄養価も高く大きく成りますが、自然界とは違い容器の中は狭い人工の世界なので最良の居場所を選ぶことが出来ず、幼虫は年齢によって同じ菌糸ビンを嫌がることがあります。
つまり、育ち盛りの2齢中期から3齢中期までの幼虫は嫌がらずに菌床を良く食べますが、3齢終期の幼虫は蛹室を作る関係で菌床の中に滞在することを嫌がる傾向にあります。
しかし、蛹化する直前まで栄養価の高い生きた菌糸を食べさせた方が大きな成虫にする為に有利なので、蛹に成るまで栄養価の高い生きた菌糸の側に滞在させる必要があります。そこで、考え方を単純に整理すれば、3齢幼虫が安心して菌床の中に滞在して栄養価の高い菌床を食べることが出来る様にすれば良いことに成ります。
方法
つまり、3齢幼虫が嫌がらないバクテリア等によって分解されたバクテリアマットをバクテリア菌床と菌床の間に層状に入れて、幼虫が上下の菌床を食べられる居場所を作れる様にバクテリアビンを加工すれば良いことに成ります。
加工
作り方は、先ず最初、バクテリア菌床を底から全体の4分の1位まで詰めて、その上にバクテリアマットを層状に4分の1位詰めて、さらに菌床をビンの口近くまで4分の2位詰めれば良いことに成ります。
尚、作成後冷蔵庫等に入れてバクテリアの活動を抑え、キノコの菌糸が腐朽するまで冷やして置くとカビ等を予防することが出来ます。
効果
使用に際しては、バクテリア等によって分解されたバクテリアマットの所まで穴を空けて幼虫を入れます。そうすることに因り、菌床の中に居ることを嫌がる傾向にある3齢幼虫は、バクテリアマットの部分に居場所を作り栄養価の高いバクテリアを含んだ生きた菌糸を食べることが出来るので、結果として大きな成虫に羽化することが出来ます。
菌床を嫌がるからと言って3齢幼虫にマットだけを使用したのでは最大サイズは望めません。
観察の結果、居場所が菌床の中に無いので、安心してその場所に居続ける様に見受けられ、3齢終期からの更なる大きさを期待することが確認出来ます。
追加内容
使用の際には必ず底に穴を数多く空けて下さい。
幼虫の体が大きく成れば成る程空気が必要に成りますので水分同様に注意して下さい。
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