人は決して誠に至ることは無い。
人の一生はすべて道を辿るからである。
人はその辿る道が真実であるかどうか分からない。
その道が真実であっても評価する方法を知らない。
又、その道が真実であっても迷いながら通るであろう。
人の一生は誠に至るまでにはあまりにも短い。
誠に至らないということが人間そのものである。
誠は人から一定の距離をとって存在する。

その一定の距離こそが生きる力になる。
迷い苦しむことが生きる力となる。
人は真実を知らない方が良いのかもしれない。


人は虚像と実像の隙間をさまよいながら歩んで行く。

人は虚像と実像の区別は決してつかない。
虚像は憧れとなり、実像は空しさを生む。
全てを知ろうとすればするほど空しさを生む。
誠に至ると言うことは己を知ることである。
己は常に変化する。
己を知ることはとても難しい。
人は己を知った時に誠に至ることができる。