まとめのページ

各ページに記載されている特に重要と思われること項をこのページにまとめました。順次追加致します。...
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お知らせとお願い

 バクテリアは動物性微生物の一種です。空気中から窒素を体内に取り入れてタンパク質として固定できる唯一の動物で、要するにバクテリアは全ての動物が摂取する動物性タンパク質の元と考えてください。

 尚、当ホームページでは、しばしば”バクテリア”という言葉が使われていますが、これはクワガタ幼虫が共生微生物として原生動物等もタンパク源として利用していると言う意味も含んでいます。つまり、共生微生物の総称として”バクテリア”という言葉を使用しているところもあると解釈してください。
 つまり、当ホームページで使用している”バクテリア”という言葉は、便宜上、共生微生物全般を示していると理解してください。呉々も誤解のない様に承知して意味を捉えてください。
 よろしくお願い致します。
お知らせとお願い その2

 当ホームページで”反芻(はんすう)”、”反芻動物”という語が使用されていますが、これは、牛・羊や山羊のように一度食べた餌を胃から口に戻して食べ直す意味だけではなく、バクテリアに対しての対応能力に優れ、体を作る為のタンパク源としてバクテリアを応用または利用している動物であると考えてください。

 幼虫の消化器系がどのような構造になっているか分かりませんが、幼虫が糞を居場所の周りに塗って再度食べ戻す行為(体外共生)は、牛等が食べ直すことと同等に考えられますので
クワガタ虫を反芻動物と特定しても良いと思います。

 尚、”反芻”という語が誤解されるところもありますので、”体外共生”、”バクテリア等、共生微生物の利用能力”等に書き換えますので、飼育内容を的確に理解して頂く為にもお手数ではありますが読み直して頂ければ幸いです。
菌糸の腐朽に関する新しい考え方
 
植菌材の外側の空気を遮断することにより、菌糸は短期間で植菌材の内部全体に腐朽します。
 なぜなら、菌糸は生命を維持する為に仕方なく材の内部に封じ込められている空気を求めて中心部に向かって蔓延(はびこ)るしか方法が無くなるからです。
 従って、菌糸の腐朽に関しては単に多ければ良いと言うものではなく、空気に対する代謝の特質を利用して空気の有る所へ菌糸を誘導すると言う考え方で良いと言えます。
 植菌後完全に外部からの空気を遮断して材内部の空気を強制的に菌糸に利用させることにより、菌糸の特性が強く現れ、短期間で植菌材全体に菌糸を腐朽させることができます。
空気量の調整
 
幼虫の飼育に有益なバクテリアとキノコの菌糸は共に好気性の微生物ですが、空気(主に酸素)の量に対する代謝が異なると思われます。

 好気性のバクテリアは空気が欠乏すると死滅してしまいますが、今回、新しい技術として公開した”外部からの空気を遮断すると材内部で菌糸の腐朽が速まる”という考え方が実証されたことにより、キノコの菌糸は空気の量に対する適応性が優れていて、腐朽に関しては単に多ければ良いと言うものではないとかなり確信を持って言えることができます。

 つまり、幼虫と好気性のバクテリアは多量の空気を必要とするが、キノコ類は少な目の方が菌糸を伸ばし栄養価の高い状態を長く維持できるという特徴があると推測できるので、幼虫とバクテリアの呼吸状態を気にしながら、菌糸の状態を維持する為に空気の量を調整する必要が生じると言うことになります。
 キノコの菌糸を使用する上で重要な考え方であると言えます?ので、詳しくはここを読んでください。
ぶよぶよ病について
 全ての幼虫の体内にバクテリアの存在は欠かせないのですが、バクテリア利用能力の低い幼虫の体内で必要以上のバクテリアが繁殖した時や多量の菌糸が腐敗した時に私たちが俗に言う”ぶよぶよ病”が発生すると推測できます。
 その理由は、幼虫の体内で繁殖したバクテリアの死骸や菌糸が腐敗した時にタンパク質が発酵して必ずアンモニアが生成されます。もし、この時に窒素を再利用するバクテリアが体内に居なければ発生したアンモニアを再びタンパク質に合成できませんので、毒性の強いアンモニアが幼虫の体内で増え続けることになり幼虫は死んでしまうのではないでしょうか。
 
グランディスは特にバクテリア利用能力が低いと思われますので注意が必要です。
 バクテリア利用能力の低い種類は早めにバクテリアビンを交換してください。
牛糞に含まれる塩分
 
牧場で飼育されている牛は、自然界では摂取できない程、大量の塩を与えられます。もし、牛糞を幼虫飼育用のマットに混ぜて良い結果が得られるとしたら、牛糞に含まれている塩分が影響していると考えられます。なぜなら、牛とクワガタ幼虫では消化管の状態が極端に異なり、牛の消化管内はクワガタ幼虫よりはるかに嫌気性で含まれているバクテリア等の効果を期待するには無理があります。更に、大昔のトンボやゴキブリ等が大きかったのは、雨により食塩が海に洗い流される以前の陸地に住んでいたので塩分の影響を受けていたとも考えられるからです。
 
また、天然のインド、ネパールアンタエウスに人工飼育したものより大型がいるのは、ヒマラヤ系山脈は海からの隆起によるもので塩分が多量に存在するとも考えられ、離島のパラワンやミンダナオのオオヒラタも塩分の影響を受けているのではないでしょうか。
 
”木食い”と思われる天然のマレーアンタエウスが大きく成らないことからも塩分の影響は無視できないと感じられます。
 
従って、マットに牛糞を混ぜるより、食塩水を加える方が衛生的で且つ塩分濃度を細かく調整できるので効果があると思います。

 尚、食塩を溶かす水は純水(蒸留水等)が理想ですが、コンビニ等で売っている自然水の成分表を見て数値の小さいものを選んだ方が手軽です。水道水は不適だと思いますので使用しない方が良いでしょう。

 
塩水の使用は、かなり前から私の課題に取り入れてありましたが、その理由を私なりに納得して公開しました。皆さんは、どう思いますか?

塩分濃度について
 どの位が適切かは分かりませんが、飽和食塩水の1/1000を基準にして加えてください。伝導率計を使用してデーターを作れば確実です。
 
濃い塩水は絶対に使用しないでください。


 伝導率計で塩分濃度を調整中です。
 水道水は使用していません。

アンタエウスと国産オオクワガタを比較して飼育方法の違いをまとめました。

アンタエウスと国産オオクワガタ 飼育方法の違い
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羽化不全について
 私達の実験では、蛹室の大きさと滑らかさは最適と仮定して、蛹を入れてある容器の湿気に注意してください。具体的に言うと蛹室は乾いている方が良いのですが、容器の中の空気が乾燥しているとかなり高い確率で羽化不全を起こします。
 実際には、プラケース等に水を少し入れて、水に浸からない様に小さめのブロック等を下に敷き、乾燥した蛹室に入った蛹をブロックの上に置いてください。湿気を保つ為に必ず穴の空いたビニールをケースと蓋の間に挟んで水蒸気を逃がさない様にしてください。
 尚、オアシス等の人工蛹室を利用する時は、100円ショップ等で売っている密閉タイプのプラ容器を使用すると便利です。必ず蓋に小さな穴を空けてください。
動かない幼虫は大きくなる。
 一つの場所に長く留まり、居場所の回りをゆっくり食べている幼虫は大きくなります。糞の中に含まれているバクテリアを菌糸と一緒に再度食べることによって消化吸収を助けているからです。しかし、偶然に頼らなければ成らないので確立が非常に低くなります。
 呼吸は多量の空気を必要とするので、ビンの上部に居場所を作り、菌床と容器の隙間を流れる空気で呼吸しています。

山梨産韮崎♂79mmの幼虫(2000年5月羽化)

 
バクテリアビンはどこを食べてもこの様な状態と同じになります。超大型の作出は100%と言えるでしょう。
幼虫の重さ
 食べさせている餌の内容が異なれば同じ重さの幼虫でも成虫の大きさに違いが生じますので、幼虫の重さを評価しても意味のないことが分かりました。確かに重たい方が大きな成虫になることができますが、それは同じ餌を与えている時の比較に限ると思います。成虫の大きさは与えている餌の内容が反映されますので、餌が異なれば小さな幼虫が大きな成虫になることができます。まだまだ研究の余地はあります。
成虫の大きさ
 幼虫の時に、外骨格になる成分を体内に如何に多く蓄えるかが問題なので、只単に幼虫が大きいからと言って大きな成虫に成るとは限りません。つまり、クワガタムシは完全変態なので蛹化の時に不要なものは、全て体外に排泄してしまうと思われるので、幼虫の大きさが100%影響しないと言うことです。
 従って、体内の同化率が高ければ、小さな幼虫が大きな幼虫より大きな成虫になることができると言えます。
羽化不全
 遺伝的な欠損を除いて羽化不全の原因は、その殆どが蛹室の大きさと蛹室内の水分であると言えます。
 蛹室が小さい場合には、蛹を掘り出してからスプーン等で蛹室を大きくして入れ直すか、又はアレンジメントフラワーで使用するオアシス等で作った人工蛹室に移してください。
 水分については、蛹が羽化する時に7cc〜9cc位の体液を出すので、蛹室の吸水性が悪いと羽化した成虫の上羽が蛹室にくっついてしまいます。
 菌糸ビン等、通気性の悪い容器を使用した場合、蛹が大きく成れば成る程、体液による羽化不全が増えます。
 注意してください。
鉄分について
 鉄分が多く含まれている”しその葉”を幼虫に食べさせたところ、その全部が4ヶ月位で小さいまま羽化してしまい、”鉄分の錠剤”を水に溶かして与えた場合と同じ状態が起こりました。
 水の中に含まれている鉄分が多いと体内で何らかの反応が起こり、羽化の引き金になると思われますので、大きな幼虫にする為には水の成分に注意が必要です。

注意:鉄分を与えると確かに羽化が始まりますが、鉄分を多目に与えたインドアンテは羽化後直ぐに死んでしまいました。偶然かも知れませんが事実は否定できませんので注意してください。因みに大きさは80mmでした。 
バクテリアの種類
 幼虫が食べる餌の中に、糖類、特にデンプンが含まれているとpHが低下して、セルロース分解菌の活性が損なわれます。マット等の長時間の使用を考えると易利用性の糖類は含まれていない方が安定します。
 従って、幼虫の栄養に成ると言う安易な考えだけで添加剤と称する栄養剤?を使用することは総合的に判断すると避けた方が良い場合があると思います。
 結果として、大きな成虫が羽化すれば良いのであって、1年間と言う飼育時間を考慮せず、その時(幼虫の大きさ)だけを見て飼育を行うことは非常に不利なことだと考えられます。
 セルロース分解菌が成虫の大きさにとても影響すると考えられます。
体内の成分
 菌糸だけの飼育とバクテリアを利用した飼育では、幼虫の重さが同じでも蛹に成る時に2〜3gの違いが生じ、成虫の大きさに違いが出ることが分かりました。結果として、菌糸ビン飼育で40gの幼虫は蛹の重さが23g位で25gを越すことが殆どありませんが、バクテリア入り菌糸ビンを利用した飼育では26gに達することができます。
 蛹の重さが1g増えると成虫は約2mm大きくなりますので、菌糸ビンとバクテリアビンでは、同じ40gの幼虫で成虫の大きさが5mm位違うことになります。
 現に、菌糸ビン飼育で38〜40gの幼虫は、その殆どが76〜78mmで80mmを越すことがありませんでしたが、バクテリアと菌糸を利用した飼育に於いて40gの幼虫は82mmの成虫になることができます。
 体内の成分が成虫の大きさに非常に影響することが分かりました。

青い幼虫
 充分に育った幼虫は青味が掛かって見えます。なぜならば、幼虫の血液はヘモシアニンの銅が核になっているので青く見えるそうです。つまり、毛細血管や血液の量が多いので健康状態が良く、新陳代謝が効率よく行われている様に思えます。
 飼育結果からですが、青い若齢幼虫は大きな成虫になることができます。どう思いますか?

参考として
 幼虫の血液はヘモシアニンの銅が核に成っています。ヘム銅は、酸素と結合すると、青白い色を呈します。人間の赤い血の色は、酸素と結合したヘム鉄の鉄の色で、昆虫や軟体動物の多くは、酸素と結合したヘム銅の銅の色が見える訳です。また、我々の静脈血管の色が青っぽいのは、二酸化炭素とヘム鉄が結合した色です。
 ヘム銅が二酸化炭素と結合した色は、薄い黄色〜黄緑色です。幼虫の状態を見る上の参考にしてください。

[風通し
 バアクテリアビンが置いてある環境の”風通し”が幼虫の成長に影響します。このことは、飼育ビンに風があたることにより、内部に溜まったガス(炭酸ガスやアンモニアガス等?)が入れ替わり易いからだと推測できます。
 又、バクテリアビンが乾いていく方向で加水しながら飼育した幼虫の方が確実に大きくなりますので扇風機等を使用して常に風を送ってください。
 
空気の流れが幼虫の成長に大変影響します。

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